どうもこんにちは!
クレヨンぶろぐです🚐💨
今回から、岩手県の旅の様子を記事にしていきます。はじめに訪れたのは、前回の記事でご紹介した気仙沼同様、津波により大変大きな被害があった陸前高田市です。
今回は、同市にある『高田松原津波復興祈念公園』に訪れ、震災遺構や伝承館、復興のシンボルとして有名な『奇跡の一本松』などを見学してきたので、その様子をご紹介します。
それではいってみましょう。
復興の象徴となる施設
『高田松原津波復興祈念公園』
1.高田松原津波復興祈念公園とは
今回訪れたのは、陸前高田市気仙町の陸前高田バイパス沿いに位置する『高田松原津波復興祈念公園』。
MAP|地図
こちらの公園は、「東日本大震災からの復興の象徴となる国営追悼・祈念施設」として、国・県・市によって整備が進められており、2019年からその一部施設の利用が開始されています。
約130haにおよぶ広大な敷地の中には、複数の震災遺構や伝承館、道の駅などの施設を要し、復興のシンボルとしても有名な『奇跡の一本松』も園内にあります。
これだけ大規模かつ集約されたこの施設は、まさに復興の象徴、拠点というべき場所。
それでは、今回私が見学した施設をご紹介していきます。
2.東日本大震災津波伝承館
「いわてTSUNAMIメモリアル」
まず立ち寄ったのは、道の駅駅舎と一体建物になった『いわてTSUNAMIメモリアル』という伝承施設。上写真は、伝承館と駅舎の間にあるエントランス部分で、海へと続く追悼・祈念施設の入口にもなっています。
こちらの施設は、これまで私が訪れた震災関連施設のように、その土地に特化した内容ではなく、東日本大震災という大きな括りで、数々の展示がなされていました。たとえば、津波被害の歴史、震災の被害状況、震災当時の人々の行動、そして復興に取り組む被災地の姿といったように、これらを総合的に学ぶ事ができる施設です。
その館内は、下記4つのテーマを基にレイアウトが構成されています。
4つのテーマ
- ゾーン1「歴史をひもとく」
- ゾーン2「事実を知る」
- ゾーン3「教訓を学ぶ」
- ゾーン4「復興を共に進める」
こちらは、パネル展示の一例です。
これまで、現物(震災遺構)や写真、映像などで、震災の被害状況を見る機会が多かったのですが、このように数字として見ても、いかに大きな災害だったかということが分かります。
こちらは、ゾーン2(「事実を知る」)のエリアにある展示物で、津波により流出した「気仙大橋」の一部。橋梁の一部とは思えないほど歪んでおり、津波の威力がどれほど大きいものか実感できます。
こちらも同様に、津波によって押しつぶされた消防団の消防車。
身近な自動車だからこそ、身に染みて伝わりやすい…。
この他にも、数々の震災遺物が展示されています。普段私たちの身近にあるはずものが変わり果てた姿を見て、当たり前が一変してしまう津波の恐ろしさを考えさせられます。
今回写真でご紹介できる内容は以上ですが、これらの他に当時のニュースや記録映像を基にした映像資料、復興の状況が時系列で分かる資料・写真など、数々の展示があります。
この施設における各テーマによるゾーン分け、段階的な説明は、本当によく考えられています。今後の復興の在り方、そして自然災害の多いこの国で暮らす私たち自身が今後どう行動していくか、それらを前向きに考える大きなきっかけになる場所だと感じました。
3.旧・道の駅高田松原「タピック45」
続いては、伝承館の東側に震災遺構として保存されている『旧・道の駅高田松原「タピック45」』。震災以前はその名の通り、道の駅駅舎として、観光案内所や売店などがあったそうです。
下写真が建物側面を写した写真です。(※正面部分は工事中のため立ち入りできませんでした。)
左上の赤い看板に、津波到達点である14.5mの高さが表示されています。周りに比較できる建物がないので分かりにくいですが、信じられない程の高さです。
周辺にも鉄骨のみが残る建物跡が保存されていました。
旧駅舎裏側(海側)に回ると、建物が階段状になっていることが分かります。
津波発生時には、この階段を駆け上り、助かった方々がいらっしゃるそうですが、その状況を想像するととても恐ろしいです。津波到達点から上は、本当にわずかなスペースです。
反対側の側面に、回ると大きな照明がそのまま残されています。
ギリギリ手を回し切れるかどうかの太い柱が根本から完全に折れており、ここでも津波の威力にゾッとさせられます。
なお、こちらの建物は、ガイド同伴の上で内部を見学することも可能なようです。個人では、周囲を回っての見学しかできませんが、特徴的な建物の形状や津波到達点の表示によって、津波の大きさを視覚的に実感しやすい場所でした。
4.祈りの軸・海を望む場
続いては、エントランスまで戻り、次なる施設をめぐります。
エントランスから堤防上まで続く一直線の道は「祈りの軸」と呼ばれ、道中に献花台や追悼広場が設けられています。
そして「祈りの軸」の終着点にあるのは「海を望む場」。
大きな津波が来たとはとても思えぬ程、落ち着いた綺麗な海が広がっていました。
このあたり一帯は、かつて7万本もの松が立ち並んだ名勝『高田松原』。そのほとんどが津波により流出してしまいましたが、これまでに新たな松の苗が4万本も植樹されたそうです。
震災以前の松原は、写真でしか見たことがありませんが、本当に美しい場所でした。長い時間がかかると思いますが、そんなかつての松原のように、美しい風景が戻ってきてほしいと心から思います。
5.奇跡の一本松
堤防上を歩いていくと現れるのは、有名な『奇跡の一本松』。
市街地を壊滅させ、約7万本の松を流出してしまう程の津波にあっても、奇跡的に耐え残った1本の松。そんな一本松は、震災直後から多くの人に親しまれてきた復興・希望のシンボルです。
私自身、震災直後からその存在は知っていたので、10年が経ちようやく来れたという実感がここで沸きました。
6.旧・陸前高田ユースホステル
奇跡の一本松に隣接しているのは、震災遺構『旧・陸前高田ユースホステル』。一本松同様、写真を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
同じ階層でもかなりのズレがあり、津波がそれほどまでに地盤を削ってしまったということがよく分かります。建物自体は大変な被害を受けていますが、震災当時は休館中だったということもあり、この場所で人的被害はなかったそうです。
7.旧・気仙中学校
なお、今回は時間の都合上、現地に行っていませんが、公園内にはもうひとつの震災遺構『旧・気仙中学校』があります。
3階建ての校舎ですが、屋上を超えるほどの津波に襲われたそうです。幸いにも生徒達は高台に避難しており、犠牲者が出ることはなかったとのこと。その経緯から「防災教育の重要性を伝える遺構」として位置づけられています。建物内部ついては、前述の『タピック45』同様、ガイド同伴の条件で見学が可能です。
公園のご紹介は、これで以上となります。
本当に多くの情報を得ることができ、震災遺物や遺構を目の当たりにして感じることがたくさんありました。
私自身の目で見てみて、この施設を特におすすめしたいのは、こんな風に思われている方です。
こんな方におすすめしたい!
- 東日本大震災全体の事をよく知りたい方
- 限られた時間しか取れないけど、震災関連の施設に行ってみたい方
- 震災関連の施設っていっぱいあるけど、どこに行けばいいか分からないという方
周辺にも震災関連施設が多くあるので、時間が許されるのであれば、1日の中で合わせて周ることも十分可能だと思います。その一例として、前回の記事でご紹介した『気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館』は、車で約30分で行き来できます。
ご興味のある方は、ぜひご検討ください。
宮古市の震災遺構
最後に簡単ではありますが、岩手県宮古市に位置する『震災遺構たろう観光ホテル』をご紹介します。(※先述の公園から、車で約90分と少し遠め。)
MAP|地図
こちらのホテルのかつての姿がこちら。6階建の立派な建物にも関わらず・・・。
津波が4階まで到達し、1・2階は全て吹き抜けと化してしまっていました。
見ての通り、躯体しか残らず、1・2階にフロアがあったことすら想像できない状態になっています。
なお、遺構の内部を自由に立ち入り見学することはできません。下写真のように、「学ぶ防災ガイド」というプログラムに予約することで、ガイドさんの解説を受けながら見学ができるそうです。
私は、今回事前にこの情報を調べられていなかったので、内部見学まではできませんでしたが、津波の脅威は外から見ても一目瞭然です…。
短いご紹介となりますが、以上です。
お近くを通る機会がありましたら、立ち寄ってみてください。また、プログラムにご興味のある方は、事前にご予約の上、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
防波堤から考える津波の脅威
今回車で走った海沿いの多くは、リアス式海岸ということで、本当にひとつひとつの海岸幅が狭いという印象を抱きました。
その地形故に、津波が巨大化してしまったところが多く、大きな被害をもたらしたわけです。当然それに対応するため、現在では各地にかなり高さがある防波堤が建造されていました。
下写真はその一例ですが、この防波堤一つとっても、東日本大震災がもたらした被害の大きさ、その後の影響など、多くのことを考えさせられます。
おわりに
今回もボリュームが多くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
改めて書きますが、もし「初めて震災関連施設に行くのならどこが良いか」問われたとすれば、『高田松原津波復興祈念公園』をおすすめします。理由は、あらゆる施設・情報量を基に、色々な角度から震災を知り、ひとりひとりが今後を考える大きなきっかけになると思うからです。今後機会があればぜひ足を運んでみてください。
さて、実はこの旅で訪れた主な被災地は、これで以上となります。被災された地域のほんの一部に過ぎませんが、本当に多くの学び、気づきがありました。次回の記事で、これまで被災地を訪れてみて感じたことなどをまとめる予定です。紹介記事とは異なり、私自身の心情的な要素が多くなってしまいますが、良かったら読んでいただけると嬉しいです。
それでは本日はこの辺で!!
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